青蝶夢 *Ⅱ*

「イブキ、心配すんなよ
 ほらっ、命はある

 この足は、もう
 俺の言う事を、一生
 聞かないけどな
 
 いつか、お前が
 言ったとおりになったな」

『いつか、女にやられる』

そう言って、無理に笑う
芳野に伊吹は。

「こんな時に、笑ってんなよ
 泣きたいなら
 素直に泣け・・・」

顔色が曇る、芳野。

「泣いても
 どうしようもねえよ
 
 一度、壊れたもんは
 治らない」

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「イブキ、そうだ
 お前に頼みがある
 
 ヒイロを、今すぐ迎えに
 行ってやってくれ
 あの家で、アイツは
 俺を待ってる」