真実を教えて・・・

この冷蔵庫も、この炊飯器も
この包丁も、まな板も
調理器具も、食器も

ここにある物、全てを
私は知り尽くしている。

どこに何があって
どこに仕舞うのか

全てを体が覚えている。

そんな使い慣れているキッチン
で、手際よくパッパと作った
夕食を三人で取りながら

お腹が少し満たされたところで
芳野は、語り出す。

衝撃の言葉から始まった。

「俺は、ヒイロ
 お前を迎えに行く為に
 あの日
 急いでこの家を出た」

貴方を待ったけど

貴方は来なかった。