イブキ・・・

貴方は知っていたんでしょう?

私が、迎えに来てはくれない
人を、ずっと待ち続けている
ことを・・・

そして、こっそり泣いていた
事を・・・

貴方は、そんな私を大切に
壊れないように包んでくれた。

『ヒイロ、結婚しよう
 お前に永久の愛を誓う』

私は、伊吹と結婚して
彼の妻になった。

そして、無事に子供を
出産した。

私は19歳になり、芳野と伊吹と
三人で暮らした、あの時から
一年が経とうとしていた。

私は、それまでたったの一度も
芳野とは逢うことは無かった。

久しぶりに逢った貴方は
黒髪が伸び、少し痩せたよう
だったが、別れた時

ううん、それ以上に素敵だった

私は、深い吐息をはく・・・