『迎えに行かない』

なんだぁ

本当は、芳野が迎えに
来てくれてたんだと
思ったよ・・・

「・・・そう」

私は窓の外、空を見上げた。

涙が零れないように・・・

ずうっと、見上げていた。

私があの日、貴方に
起こった出来事を知るのは

ずっと、後の事だった。

貴方を待ち続けても

無駄だと痛い程に分かった私。

私の左手、薬指に輝く指輪・・

私は、19歳になった。