青蝶夢 *Ⅱ*

母は、玄関に立ち、私を
抱きしめる男性に見覚えが
ある。

「あなたは、確か
 あの時の高校生・・・
 どうして、ヨシノさんでは
 無く、あなたがここに?」

とても困った顔をしている母に
私から離れた伊吹は、頭を
下げた。

「ご無沙汰しています」

「ママ、イブキは
 ヨシノとは親友なの」

「あらっ、そうなの?
 じゃあ、ヨシノさんは
 用事か何かで
 あなたが代わりに・・・」

ホッと、安心する母に
私と手を繋ぐ、伊吹は言う。

「いえっ、私はただ
 自分の意志で
 ここに来ました

 アイツも、きっと
 自分の意志で
 ここへは来ない
 のだと思います・・・」

真剣な、伊吹の瞳。