青蝶夢 *Ⅱ*

割れた窓ガラスから
吹き抜ける風が、あの日と
同じ、白いワンピースの
裾を揺らす。

『似合ってるよ』

鏡越しに私を見つめる芳野の
瞳を思い出し、涙が溢れる。

結局、その日

芳野は、私を迎えには
来てくれなかった。

『ただいま、電話に
 出ることはできません・・』

ため息をつきながら
電話の受話器を置く、母。

私は食事も入浴も、何もせずに
白いワンピースのままベッドの
上に横たわり、今夜も眠れない
夜を、一人きりで過ごす。

ヨシノ・・・

駄目なの?

涙を手の甲で、何度も何度も
拭う。