「ヒイロ・・・」

その声は

芳野でも

伊吹でもない。

瞳を開けた私を
覗きこむのは、義父。

私の体は、凍りつく・・・

心は、悲鳴をあげる・・・

「やめて」

私の頬に触れる手

「ヒイロ」

「私に触らないで」

「ヒイロ
 そんな事言わないで・・・
 お前がいなくなって
 俺は」

やめて

私の名前を呼ばないで