ゆっくりとドアが開き

私は、慌てて

芳野の元へ走る。

ドアの前・・・

貴方しかいない。

「・・・アイは
 どこ・・・?」

その言葉に続いて
貴方から聞こえる言葉に
私は、声が出ない。

「・・・ごめん、ヒイロ」

愛する人と引き換えに

愛する我が子を
失うかもしれない。

全ては、私が

歩んで来た道。

選んだ道。

泣いても、泣いても
どうしようもなくて

母の元を離れ、芳野の家で
貴方の胸に抱かれながら
朝を迎えた。