病院から、ほんの少し離れた
場所にある、昔ながらの雰囲気
の残るカフェ。

喫茶店と言った方がいい
かもしれない、その場所で
私は芳野に、全てを話して
聞かせた。

「そんな・・・
 
 どうにもならないのか?」

私が先生に質問した言葉と
同じ言葉を貴方は、問う。

私は、首を左右に振った。

もう、どうにもならない・・・

命は、こんなにも儚い・・・

「クソッ」

貴方は、握り締めた拳を
左足の太股に打ち付けた。

どうにもならない事は
分かってる

でも、どうにかしてほしい。

遣る瀬無い想いを拳に込めて
貴方は、何度も足に叩き続ける