私達の別れは、突然に訪れた。

退院の日、私の隣には
飛鳥がいる。

母は、病棟へ
毎日逢いに来る飛鳥
あれ以来
一度も逢いに来ない芳野

二人の行動から、私が何も
話さなくても大体の事を
感じ取ってくれた。

母は、たった一言だけ

私に声をかけた・・・

「ヒイロ
 
 本当にいいのね?」

私は、頷いた。

入院中、これからの事を考える
時間は、嫌という程あって

その中で私は、真実が分かって
よかったと思えるように
なっていた。

あのまま、誰の子供か
分からない子供を産み
芳野に無理やりに
父親になってもらっても

長い人生、いつかどこかで
蟠りは出てきただろう。