『私、もう・・・

 貴方には逢わない』

そう、言うつもりだったのに

言えない。

貴方に逢いたい・・・

娘の外出に必要な物を
鞄につめて、タクシー
を走らせる。

芳野の元へ・・・

私は、伊吹・・・

貴方を守れない。

タクシーに乗り込む私を

貴方は見つめる。

そして、深い息を吐く。

深い闇が包むベッド

伊吹に背を向けて眠る私。

貴方は後ろから、私を抱く・・