だけど俺は今日、この街に別れを告げて本当の故郷・秋田に帰る。
いつもなら仙台〜秋田間なんて高速を使って一気に帰るんだけど、今日は…。
少なくても俺の知っている景色が広がっている仙台市を抜けるまでは国道を走っていたい。


お前と二人で走った道、立ち寄った場所。
大盛り2玉の麺と4袋分のもやしのボリュームにチャレンジをしたラーメン屋の近く。
あの帰り道、俺は我慢できずにこのコンビニに駆け込んで全部戻したっけ…。
「だから辞めたらって言ったのに。馬鹿じゃないの?」
お前はそう言い放って笑っていたよね。

俺も29歳になって、完全に涙腺は貧弱になっているんだろうか?
思い出を思い出さないようにと考えている頭は、余計に普段の倍の脳みそを使用しているらしい。
だめだ、何か思い出すとすべてが美談になってしまう。
どう頑張っても泣けてしまう…。


さよなら大好きな仙台。