帰り道。
すっかり薄暗くなっていた。
それなのに私たちは自転車を置いた
駅まで歩いている。
理由は気分。
同じ道は普通すぎて通りたくないってこと。

私の腕には青く光り輝く
ストーンのブレスレット。
値段はもちろん高校生でも買える値段。

「気に入ったか?」

高橋はブレスレットを見つめる。

「うん」

私は素直に答えた。
だって新鮮な気分だから。

「よかった」

高橋はいつになく
優しい口調だった。

「罪滅ぼしか」

素直じゃない私。

「罰ゲームだろ」

素直に返される。
もっとロマンチックな事言えよ。
…ってヘタレだからムリか。


「にも思えないがな」

高橋は少し早足になる。


「はっ?何が?」


「素直になれよ」


高橋は立ち止まり
微笑んだ。




「だから何が―」



身長差で見上げるように
問うと唇を何かで塞がれた。



あっ…まつげ長い…。



なんてぼーっとしてしまった。