よくいわれたこと
「煙草を買ってこい。」
雨が降ろうが
霜が降りようが
叔父には関係なかった。
走るのはあたい。
歩いてはいけない。

「なぜ」なんて聞いてはいけない。
家の中では
叔父が言った言葉は絶対だった。
「ワシは偉いんじゃ。」
よく聞かされたバカみたいな台詞も
当時は恐怖の対象だった。

姉が幼稚園に通っていて
昼間、叔父とあたいは家にいた。
今まで書き忘れていたが
叔父は働いていない。
ずっと無職のままだ。
だから、あたいと二人、
家の中にいる。