強く握りすぎたためか
紙はグシャグシャになっている。

それに気が付き
丁寧にのばし
半分に折って
ポケットに入れた。

足取りが軽くなり
前へ進むのが早い。

学校を後にして
家に帰ると
すぐに眠りについてしまった。

今日は色々ありすぎた。
嫌いな学校が早く行きたいと
思うのはどうしてだろうか。


朝も早く起きれたし
出かける時間は
いつもより10分早いし
身だしなみは
いつもより綺麗だし
なぜだかは

分からないけれど。

『はよっっ!!』

「…おはよう。」

『…熱でもあんの?
顔あけーよ?』

心配そうに
平野が顔をのぞく。

「だっ…大丈夫だから。」

近づく平野を押し退けて
カタンと席に着いた。

平野も自分の席に着き
また話しかけてくる。

『やっぱ本田おかしい…
風邪でもひいたん
じゃねーの?』

「大丈夫っ…!!!!」


言い終える前にあたしは
ヒラリと持ち上げられていた。

と言うより抱えられていた。

「ちょっ…下ろして!!」

『暴れると落ちるよ?』

また意地悪そうに笑う。
落ちるのは嫌なので
ぎゅうっとしがみついた。

『初めから
そうしてろっての。』

クスッと笑うと
走り出した。