「………。」

この光景はなんだろうか。


掲示板の前に
駆け寄るクラスメイト。

「美紅って変わったよね。」

得意げな顔して
紗枝が近寄ってきた。

「何その嬉しそうな顔は?」


ぴらぴらと一枚の
写真をあたしの前に出す。

「やっ…

〜//返せ!!」

その写真と言うのも

「やだよーっ

珍しいのに☆
美紅が笑顔で
ついでにメイドッッ!!
売れるよー♪」

「売るなっ
返せぇー!!!」

そう。
この前の文化祭の写真。

以前のあたしだったら
絶対あり得なかった。


「やっぱ…
あの子のせいかな♪」

ぱっと隆斗を見る紗枝。

「紗枝…
あのさぁ…。」


…………


「えーっっっっ!!!」

「しぃ!
声が大きい!!」

「ごめんごめん。
えっ美紅、それほんと?」

「嘘ついて
どーすんのよバカ。」

できるなら
嘘だって思いたいよ。


「そーよね…
えっ…あっ…うん。」

「なんでそんな
挙動不審なのよ。」

「だって…
あの美紅が…
しかもフられて
泣かないって…。」

いや。
十分泣きました。

これでもかってくらい。
泣きすぎて今朝なんて
目が開かなかったくらい。

そんなこと、
絶対いわないけど。

「まー待つの。
振り向いてくれるまで。」