イライラしながら
歩きなれた廊下を歩く。

今年は3組だって聞いたから
3-3と書かれた教室に
一歩足を踏み入れた。

見慣れたメンバー。
みんな結構話しかけてくる。

なんだかんだ
顔が広かったんだ 汗

後ろからまた
ドアの開く音が鳴り
向から男子が話しかけていた。

いったいどんな奴だろうと
ふと振り返ってみた。

『また会ったね。』

そいつはにぃっと
頬をあげ笑った。

冗談じゃない。
そう思いながらも

「そうね。」

と短く返事を返す。
イヤでもこの一年は
こいつと同じ空間で過ごす。
重い空気なんてごめんだ。

口先だけの挨拶を済まし
人混みを避けながら
自分の席に着いた。

窓際 一番後ろ。
願ってもない良い席。

机に突っ伏して
浅い眠りに入ろうとする。

『気が合うね。』

ぱっと横を見ると
さっきのあいつが座っている。

悪いことに悪いことは
度重なるもんなんだ…。

『これから1ヶ月
よろしくね。』

「よろしく…。」

にかっと頬をあげ
また、笑った。

綺麗な歯並び
整った顔
長い睫
つやつやな肌

普段のあたしなら
きっと狙うのに
こいつは絶対ありえない。