冷たい月



どのくらい唇を重ねあっていただろう……

唇が離れ、先生の目を見た。


『璃空、先生じゃなくて、良治(リョウジ)って呼んで』


『……でも…』


『璃空に呼んでもらいたいんだ、俺の名前』


そんなこと言われても…
お互いの気持ちが一緒だってわかったばかりなのに…
そんな急に……


『名前、呼んでくれないなら呼んでくれるまで』

そう言いながら、私の口を唇でふさいで来た。

さっきとは違い、激しい。

『早く』

キスの合間にそう言いながら
催促してくる。


『…りょ……じ…』


キスをしながらじゃ、呼べないよ…


『聞こえない』

そう言いながらもキスを止めてくれない。