冷たい月




…即答かよ…



苦笑していると


『誰かに見られて
変なウワサたてられるのが面倒なんで…』




璃空がうつむきながら
そう言った。



『そっか…わかった。
気をつけて帰れよ。まっすぐな』




璃空は
うなずくとニコッと笑い、手を振りながら
歩いて行った。







家に帰る車の中


俺はなぜかずっと落ち着きがなく


璃空の俺を見る目が頭に焼きついていて


思い出すたびに


ドキッとしてしまっていた。