冷たい月




『着替えるだろ?
終わったら通用口の所に来いな。
待ってるからゆっくりでいいからな』





そう言って
俺も更衣室に向かった。




早めに着替え
カバンを持ちながら戸締まりに回り
通用口へと行った。




そこには
制服姿の璃空が俺を待っていた。



ジャージのイメージが強いせいか
やけに女に見えて
思わず、ドキッとしてしまった。




『璃空、お待たせ』



…これじゃあ、
デートに遅刻してきた女だな…




日がしっかりと暮れていて
夜になっていた。




通用口にロックをかけながら


『璃空、危ないから車で送って行ってやる』




『大丈夫です』


璃空が即答した。