冷たい月



カップに注ぐ


香りがリビングに

流れて行くのを感じた




窓際で

外を眺めている璃空に

カップを渡しながら



『わかった。
明日から授業にちゃんと出て
仲間とも気を遣わなくていいから
前みたいに接してやれ、な』


璃空の頭を撫でてやる


『…うん』


『約束な』


コーヒーを一口飲みながら

璃空は頷いた




タバコの火が

フィルターまで達して

消えて

灰皿から落ちていた




『食事しに行くか?』



キッチンから璃空に聞くと



『行かない。
あるもので何か出来ないかな?』



バケットにパストラミ

レタスを挟んで

サンドイッチにした