良治が優しく抱きしめてくれる。


良治の胸を通して
良治の話す声が聞こえる。


『璃空、俺はお前じゃないとダメなんだ』


良治の鼓動が少し速くなる。


『お前しか、お前だけしか見えないんだよ』


…私だけを…見てくれるってこと?

……こんな私だけを…


『もう自分にウソはつけない。
璃空が俺の全てなんだよ。だから…』


私が全て??


良治の顔を見ようと顔を上げると
良治の顔がすぐそこにあり、
私の唇と良治の唇が重なった。


誰かが、
しかもずっと思っていた良治が
私を必要としてくれてる…



そう思っただけで
良治が光に思えた。
今まで暗闇だった私の人生の…