【平和な国、にょっひら王国。今日も歴史の1ページに何かが刻まれる。最近では妖精が恋に落ちたとか、3歳児が生ビールのジョッキを一気飲みしたとか、ぬいぐるみにキスしたらぬいぐるみに命が芽生えたとか、スイカの種を飲み込んだ少年の腹にスイカが生ったとか、平凡なニュース達が溢れている。今日はどんな物語が動き出すだろうか…―】

ラブ「ねぇ、アイム?」

アイム「なぁに?」

ラブ「私達のパパやママは何処に居るのかしら…」

アイム「パパやママか…」

【そう言うとアイムの顔は沈んでいました。その顔を見たラブは何も聞けなかったのです】

アイム「パパやママ、かぁ…」

【アイムは海沿いまで一人で来て、同じことを繰り返し呟きました】

《僕等Fairyは薄い羽根の色で区別されている。♀の大人なら赤、♂の大人なら青、子供には紫の羽根。もちろん僕とラブは紫の羽根だ。
それから、子供を作るにはリスクが要る‥命をかけることだ。》

【アイムは一人思いに耽っていました】

ラブ「いけないこと聞いちゃったかな」

【ラブは空を見上げて目に涙を溜めていました。アイムが居ない時はやっぱり一人になってしまうラブ。友達がいないのです。その時、ラブの小さな鏡が光りました】

ラブ「はぁ‥またジジィか」

【ラブは呟いてから鏡を取り出しました】

ラブ「はい、ラブです」

国王「彼氏とイチャイチャしてるかー?(ニヤニヤ)」

ラブ「‥切っても宜しいでしょうか?」

【心底嫌な顔でラブは淡々と言います】

国王「いやー!待ってー!」

ラブ「はぁ‥用件は?」

【ラブは溜め息を漏らしたあと淡々と聞きます】

国王「特にないんだけどね☆」

ラブ「‥‥‥」

国王「ごめんなさい」

【ラブの無言が殺気を帯びていてビビる国王。弱っ】

国王「つまりはね、妖精の人数調査を頼みたいんだ、出来るね?」

ラブ「(は?めんどくせー)はい、仰せのままに」

【ラブが言うと鏡はまたラブを映しました。それからラブはアイム以外の妖精は知りませんでした。ラブはキラキラ光る粉を振りまきながら王国内を飛び回りました。紫の羽根、赤い羽根、青い羽根を別々に調べてノートに書き込みます】