「っおい!
俺のワックスどこやった!?
お前だろ、カナト!」
「俺知らねーよ!
ハヤトじゃねーの!?」
「は!?
なんで俺になるんだよ!
アキトだろ!」
「ちげーよ!
もしかして…ユキト?」
「…俺、ワックスとかつけない。
ユズホでしょ」
「「「「あー…」」」」
騒がしい男共の視線があたしに集まる。
あたしは大口開けておにぎりを頬張っている最中だった。
「昨日アラト兄の部屋で見かけたけど」
しらっと事実を言うと、
今度は皆の視線がアラト兄に向かう。
「あ、いや…その…
すまんかった…」
あたしの朝は、
いつもこんな感じだ。