テーブルの上の教科書は、勉強途中で置き去りにされたまま。


あの日のまま置き去りにされた教科書にもノートにも、はっきりとこの犯罪者の名前が書かれていた。



「川柳亜沙──」



自分の名前を口にして、二度目の嘲笑。


本当に嫌気がさした。


生まれてきた時は、両親に期待されて、希望を持って付けられた名前なのに、今は、犯罪者を識別するナンバリングでしかない、価値のない名前。


「……『アサ』はもう、太陽を浴びて生きていけないんだ……」