「アサさん!」


不意に、澄んだ空気の中から降り注ぐように声が響く。

背伸びをやめて振り返る。




ベランダにヨルが立っていた。

水差しを持っている。


「水、忘れないでくださいね!」

「あっ、ごめん! ありがとう!」

「いいえ。それから、もっと陽の当たる場所に出しておきますね」

「うん。……あのさ」