「本当のことを話してくれて良かったです。ずっと、我慢していたんでしょう?」


彼の言葉に、父や母、先生が言うような同情めいた励ましにはない、何か暖かいものを感じた。



『哀情』じゃなく『愛情』。



造り物の彼の、作り物じゃない温かさ。



「……私、学校に行きたい……」

「帰ったら早速、相談しましょう!」


彼はブランコから降り、いつまでも泣き止まない私の肩にそっと手を置いた。


「帰りましょう、アサさん」



私の肩に乗った手の温もりが、生きている人間と同じくらいに温かかった。