「ええ。だから、学校に行けるようにアサさんは今の自分に肥料を、私はそれを後押しする光を、ご両親が生きるための水を与える。……このプランターは、もう一つの生活みたいですね」


そう言って、ヨルは満足そうに花を見つめていた。


私も花を見た。


──私は「仲間はずれにされている」という意味で同じと言ったのに、ヨルは言葉で否定せず、遠まわしだけれど、私の在り方を肯定してくれた。


それは、どこか学校の先生が言うような「綺麗事」にも似ているけれど、
それとは違った何かを、私はそれとなく示唆されたような気がする。


「あとで、もっと大きいやつに植え替えてあげようかな」

「ぜひ、そうしてあげてください」