Dangerous city

そんなハルカの隣には、ショットガンを手にしたままの八戸がいる。

身につけたスニーキングスーツはところどころ引き裂かれ、肌が露出している。

その白い肌に残るのは、痛々しい爪や指の痕。

錯乱者達に全身を乱暴にまさぐられ、犯されかけた傷痕だ。

髪は乱れ、顔にも引っ掻き傷が残り、血が滲んでいる所さえある。

正直、見るに忍びない姿。

あられもない姿にされた彼女は、まさしく強姦直後の被害者のようだった。

「あ、あの…八戸さん…」

同じ女性のハルカが、慰めるように声をかける。

「大丈夫?その…元気を出して…?」

たどたどしい言葉。

だが、ハルカが何と言っていいかわからないのも頷ける。

こんな最悪な体験をした八戸に、何と声をかければいいのか。