目の前で繰り広げられる、八戸に対する陵辱行為。

このままでは、遅かれ早かれ八戸は錯乱者達に犯し尽くされ、絶命するまで胎内に欲望を吐き出され続ける事だろう。

俺は男だ。

陵辱される側の心情など、分かった風な事は言えない。

ただ、強姦とは女性にとって殺人と同義だと聞いた事がある。

それほど女性にとっては屈辱であり、苦痛であり、人生までも狂わせる罪なのだ。

なのに。

…八戸は無表情だった。

無数の錯乱者達に群がられ、触れられ、まさぐられ、指の先までしゃぶり尽くされるような輪姦に苛まれているというのに。

悲鳴も上げず、助けも求めず、恐れも見せず、表情も歪めず。

ただただ無表情のまま、されるがままに錯乱者達にその清らかなままの身を委ねていた。