咄嗟にショットガンのトリガーを引こうと足掻く八戸。

しかし押し倒されてからは錯乱者達の為すがまま、されるがままだった。

薄汚れた無数の手が、決して大柄とはいえない八戸の手足を掴み、押さえつける。

覆い被さるようにして彼女の動きを封じる暴徒達。

その無数の手は、彼女を押さえつけるだけではない。

「……!」

八戸の身につけているスニーキングスーツが強引に引っ張られ、その力に負けて、生地の千切れるような音を立てた。

理性もモラルも良心も既に失ってしまった、本能だけで行動する錯乱者達。

その群れの殆どは男だ。

理性を失った男の群れなどケダモノに過ぎない。

そんなケダモノの群れが、テロリストとはいえ極上の女を見つけたらどうするか。

やる事など決まっていた。