Dangerous city

「八戸?」

思わず問いかける。

「どうした…何か気づいた事でもあったのか?」

「……」

俺が訊いても彼女は答えない。

無言のままに、背を向けて歩き始めようとする。

そんな彼女の肩を掴む。

「おい八戸。一時的にとはいえ、手を組んだんだ。何か知っている情報があるなら俺達にも提供しろ」

勿論そんな言い分、青臭い仲間意識なのは俺にもわかっている。

所詮警察とテロリストだ。

水と油、相容れない関係なのは分かっている。

「……」

静かに振り向く八戸。

その表情に、先程の揺らぎは既にない。

ないながらも。

「もうこの街の異常の謎は解けた…私も脱出に専念する…」

そう。

彼女は驚くべき発言をした。