Dangerous city

『そうか。すまんがそっちに到着するまでにはもうしばらくかかる。何とか持ち堪えてくれ』

やはり救援はまだ望めそうにもない。

八戸と共に行動するしかない。

こいつ自身も危険分子には違いないのだが。

『代わりと言っちゃあ何だが』

六道さんは話を続けた。

『少し俺なりに調べてみたんだが…妙な事がわかってな』

「妙な事?」

『ああ…昨夜の午後7時頃から10時頃までの間、その街周辺で電波ジャックがあったらしい』

電波ジャック。

放送事業者として許認可を受けていない者が、正規の放送と同一周波数の電波を発射し、正規放送の視聴者に向けて独自の主張や番組を放送する事をいう。

大抵は反政府主義者などが行うプロパガンダなどなのだが…今の日本で、一体誰が電波ジャックなんて…?