白煙を上げて横たわるトレーラー。

空回りするタイヤのみが、先程まで暴走していた事を物語っている。

走行中のトレーラーのタイヤとエンジン部を的確に狙撃し、横転させるとは。

俺は周囲を見回す。

このトレーラーを撃った奴は相当な凄腕だ。

この街にそこまでの腕の持ち主がいたのか?

そう考えて、俺は訳もなく嫌な予感に駆られる。

…只の勘と侮ってもらっては困る。

俺は過去の事件でも、この直感によって数々の危難を潜り抜けてきた。

動物的なまでの危機感知能力。

まだ捜査官としては半人前だが、これだけは唯一、俺が他人に誇れるものだった。

そして今回も、その直感が当たる。