そんな訳で俺とハルカは昨日の昼頃にこの街のホテルに到着し、日本海の幸と温泉を楽しんだ後、ゆっくりと二人きりの時間を満喫していた。

「ねぇ恭一、今日はどうする?」

事を終え、ハルカが俺に腕枕されながら言う。

「そうだな…昨日は殆どホテルに閉じこもりきりだったから、今日は観光でもしてみるか?」

彼女の髪を撫でながら、俺は穏やかに呟く。

…こんなにリラックスしているのは久し振りかもしれない。

自宅に帰る暇もなく、外事四課の仮眠室に泊まり込む事も日常茶飯事。

酷い時にはハルカにメールや電話を入れてやる事さえ出来なかった。

休暇が終われば、またあの激務に追われる事になるのだろうが、せめてこの旅行の間だけでも、ハルカを目一杯楽しませてやりたい。

いつの間にか俺の休暇が、ハルカへのサービスの為の休暇に変わっている事に気づき、俺は一人苦笑した。