Dangerous city

階下を確認する暇もなく、俺はハルカを抱き締めて窓から飛び出す!

窓を開けて…などと悠長にやっている時間はなかった。

何せ背後には、気が狂ったかのような錯乱者達が迫っているのだ。

女は犯し、男は惨殺するような異常者達。

手に様々な凶器を握り締めた、正気をなくした殺人鬼の群れが殺到している時に、最早手段など選んでいられない。

俺は窓ガラスに頭から突っ込んで、ガラスを突き破る事で外へと跳躍したのだ。

…その時になって初めて知る。

二階とはいえ、ここは結構な高さだった。

5メートル、いやもっとあるだろうか。

下はアスファルトだ。

どんなに上手く受け身を取ったとしても、骨折は免れないほどの高さ!