とはいえ六道さんの気遣いは素直に嬉しかったし、久し振りに仕事から解放されてハルカと二人きりの時間を過ごせるのも悪くなかった。

まとまった休みをもらった。

そうハルカに告げると、

「あっそ。いいんじゃない?まぁ当然その休みは私への奉仕として全て使用されると考えて差し支えないのよね?」

などと可愛げのない返答が返って来た。

しかし翌日には旅行雑誌を何冊も掻き集めて俺の家に押しかけてくる辺り、ハルカもなかなか屈折した愛情を見せてくれるじゃないかと苦笑いしたものだ。

要するにハルカは、この休暇を利用して俺と旅行に行きたいらしかった。

俺と違ってハルカはごく普通の会社員。

比較的休暇もとりやすい。

二泊三日の温泉旅行なんていいだろうという結論に達したのだ。