「酷い…」

口元を押さえ、涙目になるハルカ。

「あまり見るな…」

俺はハルカを抱き寄せ、目を背けさせる。

一般人の彼女が、こんな凄惨な現場をあまり見るものではない。

もしハルカが、先程のエレベーターで錯乱者達に引き込まれていたら、この女性と同じ末路を辿っていたのだろう。

その事に戦慄を覚えた。

殺傷だけでなく、輪姦まで。

連中は完全にイカれている。

そしてそんな連中に支配されたこの街は、無法地帯と化しているのだ。