Dangerous city

「恭一いぃぃぃっ!」

脅えて、半狂乱になって悲鳴を上げるハルカ。

その悲鳴に、一気に意識が覚醒する!

誰が死んでやるものかよ!

咄嗟にべレッタを抜き、今にも掴みかかろうとしてきた錯乱者の膝を撃ち砕いてやる!

血飛沫を上げ、錯乱者がつんのめってアスファルトに無様に転がった。

それを踏み越えて飛びかかろうとする錯乱者の脇腹にも、9ミリ弾を1発くれてやる。

今の俺を動かしているのは、原始的な生存本能そのものだった。

命の危険に晒された虫や小動物が、瞬間的に全身を激しく闇雲に動かして脱出を図る行動爆発のように、不利だと分かっていても、絶望的だと感じていても、決して諦める事なく抵抗を続ける!

拳銃という非力な武器のみで、絶対的な絶望への反抗を試みる!