Dangerous city

前門の虎、後門の狼という奴か。

一体何人の錯乱者がいるのだろう。

確かこの街の総人口は約15万人。

そのうちの半分が、K国の映像を見ているとしても、7万人から8万人の人間が暴徒化しているという事になる。

この街は、もう終わりだ…。

仮に正常な人間が生き残っていたとしても、錯乱者達に殺され、犯される。

迷わず殺せる者のみが生き残れる。

良くも悪くも、この街にはそういう無法としての法で成り立っているのだ。

だが。

俺はライフルを構え、トリガーを引く!

発射されたライフル弾は、先頭を歩いていた錯乱者の膝を撃ち抜いた!

膝関節を破壊された事で転倒し、呻き声を上げる錯乱者。

…この期に及んでも、俺は殺しを肯定する事は出来なかった。

どんな状況下だろうと、殺人を躊躇わなくなった瞬間、俺は八戸と同じ側になってしまう…!