Dangerous city

巨大な潜水艦を保有しているほどの組織。

そんな力を持つ組織と繋がりを持つ八戸。

彼女の存在の大きさに愕然とする。

…八戸は潜水艦の甲板に泳ぎ着くと、こちらに視線を送ってきた。

八戸のいる位置と、俺の立つ位置が、そのまま彼女と俺の距離のように思えた。

その実力も、背中も、まだ遠く小さくしか見えない。

「……」

興味を失ったのか、彼女は潜水艦のハッチの中へと消えていく。

「逃げ切れると思うなよ…!」

ギリ、と歯噛みする。

必ず。

必ずこの手で捕まえる。

海中深くへと潜行する潜水艦を見送りながら、俺は心に強く誓った。