Dangerous city

胸の内に赤々と燃え盛る憤怒の炎を吐露する俺に。

「そう…せいぜい頑張って…」

八戸は淡白な反応で切り替えした。

その受け答えが癇に障り、何事か言い返してやろうとした時だった。

「!」

八戸は持っていたショットガンとライフルを、俺に投げ渡す。

「おい、これ…?」

「餞別代わり…」

餞別?

どういう事だ?

八戸の言う意味も理解できないうちに、彼女は車道のガードレールを飛び越え。

「!!?」

猛り狂い、うねる海へと飛び込んだ!

自殺行為だ。

如何に身体能力に優れた八戸でも、この荒れ狂う海を泳ぎ切る事など不可能に等しい。

逆に波に飲まれて海中に没するのが関の山だ。