Dangerous city

『もう少しだ。何とか踏ん張ってくれ』

その言葉を最後に、六道さんからの電話は切れた。

「……」

切れた電話をゆっくりと耳から離し、俺は八戸の顔を見る。

「原因…わかったようね…」

「ああ」

俺は頷く。

八戸の単独によるテロだなんてとんでもない。

これはK国の国家規模のテロだ。

いや、ある種の侵略行為といってもいいかもしれない。

他国の平和を脅かし、罪もない一般市民に危害を加え、国土を蹂躙する事を侵略と呼ぶのならば、K国のした事は立派に侵略行為だった。