そして、あたし達はいっぱいドーナツを買い込んだ、丁度モキナワドーナツっていうのも売ってたからそれも買い込んだよ。

「ちょっとー!これって買いすぎたんじゃないのー?」

「やっぱお腹すいてる時に買うもんじゃないよねぇ
 残ったらおチビのエサにでもするしかないかぁ」

大きな袋いっぱいに入ったドーナツを見て二人が言ってた。
望むところだ、正直言ってこの程度のドーナツなんてあたしは何ともないからね。ホントにドーナツで良かったよ。

教会の周りは奇麗な広場になっていて、広場には噴水まである。
その噴水の近くのベンチに腰掛け、あたし達はドーナツを食べたんだ。

「おチビたん、おチビたん」

『なぁに?スフェーン』

スフェーンがあごでクイッと示した方向に、ちょっとしたイケメン男子がベンチに座っていた。

「このドーナツあの人にもあげてきなよ」

『えーッ!なんで?』

「プッ、そしてこう言うんだよ『あたしとドーナツ食べませんか?』って
 両方食べるかって意味が含まれているんだけどねッ!」

「アハハハハハッ!あたしの思ってた事よくわかったねーッ!」

「そりゃー、スフェーンとはながーいお付き合いですもの
 当然カップルって言う意味は含まれてないけど?」

『やだよー、知らない人じゃない』

「おチビたんももう年頃なんだし、ああいう人ともお付き合いした方がいいんじゃないの?」

「あたし達はいつでもおチビの味方なんだからね!
 べ、別に面白がってなんかいないんだから!」

「なにその変なツンデレ!」

あたしの方を見てスフェーンの目つきが変わった。

「おチビたん?…さっさといってこい」

『うぅ…』

あぁついに始まったか…。