あたしは二度と会いたくないと思っていた2人に、魔戦士組合で出会ってしまった。

魔戦士組合で会ったスフェーンとシンナバーは、魔法学校のクラスメイトなんだ。
あたしはあの頃の事は何も思い出したくない、わざわざこの街に引っ越して来たのもあの二人に会いたくなかったからなのに。
もう少し遅く来ればと思って仕方がないや、明日なんて来なければいいのにな。

時間と言うものは無情なもの、明日は必ず来るものなんだ。
すっごく気が向かないけど、先にいないと機嫌が悪くなる二人だからあたしは早めに行って魔戦士組合で待っていた。

「おー!いたいた!エラいぞーッ!」
「おチビは朝からヤラレる気満々じゃないか!」

「ぷっ!シンナバーはうまい事言うなーッ!」

人をネタに勝手に盛り上がって爆笑するうるさい二人、ホント昔と全く変わってないや。

「それにしても、おチビたんって随分オシャレになったよね」
「ねーッ!何か女子供って感じするわー!」
「それもらった!女子供だッ!アハハハーーーッ!」

「あ、そうだ!おチビたんがどんだけ成長したかチェックしてやろうよ」
「あー、そりゃ重要事項だぁ」
『えっ?ちょっと!』

二人があたしをペタペタ触りはじめた。

「へぇ、ちゃんと育ってるんじゃん」
「ますますスフェーン好みになったんじゃないのー?こりゃー楽しみだ」

二人はニヤリとしてあたしを見ていた、今あたしの顔には不安がにじみ出ている事だろう。

「そんじゃ、盛り上がった所で出かけようかぁ?」
「ぷぷーッ!おチビも昔に比べて大分盛り上がってたしね!背は変わんないみたいだけど?」

そうやってすぐ人をネタにして!騒々しいこの二人があたしは大嫌いだ。