なんだコイツ等は!
あたし達が動けなくなったとたん強気になったぞ!?
更にこの2人、動きも台詞も完全にシンクロしてるじゃないか。

「「そもそもそのおかしな耳としっぽは何だ!?」」

腰ぎんちゃくが耳を触ろうとしたから、耳をバサバサっと動かしてやったら超ビビってんの。
でもまたバチでペチペチって殴られた…!それ、超痛いんですけどー?

「「将軍、この者たちは魔法使いらしいので我々に任せ下さい」」

「うむ、キミ達に任そう」

そしたらまた振り返ってペチペチっと殴られた…なんであたしばっかり!?

それにしても想定外な事になってしまったな。
これからどうなるんだろう、まさかの軍法会議にでもかけられるのか?

ルクトイが軍の最高機密って、そりゃーね。
ずっと存在してないと思ってた位だから、すっごい秘密にしてたんだろうさ。
だったらもっと周囲の地形を考えてやればいいのに、近くにドラド村があるの分ってたんだしさ。

それから最悪な事に変な注射打たれちゃったんだ。多分麻酔だと思う。
おかげで首から下がすっかり動けなくなってんの。
ふーん、魔法使い対策にはいいかもね。

でもねー。

一番最悪なのは、あたし達がさっきの2人の腰ぎんちゃく達に抱えられてどっかに運ばれてるって事。

げぇー!まさかこのまま汚されてしまうのかー!?

とんだ大ピンチだ!

おや、クリーダはあたしの方を見て微笑んでるよ。いつもながら余裕だよねー。
流石の科学魔導士もこうなってはどうしようもないだろうに。

さぁ、どうなる大ピンチ!2nd!

やっとヒロインの役どころって感じがしてきたなぁ、オラ何だかワクワクしてきたぞー!

軍の明け透けな最高機密を見せられてしまったあたし達は囚われてしまった。