『ほぇー、そんな事まで、、それからどうしたの?』

「いっその事手紙を書こうとも思ったのですが、それも不自然ですし…」

『そんな事ないと思うよ、手紙書いてくれれば良かったのに』

「考え抜いた末、魔戦士組合のチラシをポストに入れてみました」

『あぁッ!入ってたーッ!それで魔戦士組合に入ったの
 でもそれって結構最近だよね?』

「そうですね、ずいぶん時間がかかりました、話しかけるきっかけが出来るまで
 そして今やっと触れる事が出来ました」

『ふむー、1年近くも見られてたとは知らなんだぁ』

へぇー、クリーダはこの1年あたしをずっと見ていたのか、常識で考えれば気持ち悪い事だけどクリーダなら全然そう思わなかった。
こんなに美しい人でもそんな事するんだ、見た目からは想像がつかないなー。

「正直に話しました、気分を害しました?」

『いんやー、よくもまぁあたしなんかをとは思うけどさ』

「わたしはあなたと仲良くなりたかった、ただそれだけなのです
 無理に理解してくれなくてもいいですよ」

あたしはクリーダの長く綺麗な黒髪を指で梳かしてあげたら、彼女はとっても嬉しそうな顔をしたよ。
ちょっと冷たい手触りのツヤのある髪、あんまり人にこういう事ってする事ないからまたちょっと不思議な感じがする。
クリーダの雪の結晶のピアスがランプの光を反射して綺麗に光ってゆれた。

「あんまりドキドキしてないんですね」

クリーダがあたしの胸の鼓動に触れて言った。

『うん、結構何ともないみたい』

あたしは少し起き上がってクリーダの胸の鼓動を確かめてみた、彼女のやわらかい肌の感触と体温が手に伝わって来る。
そして、心臓の鼓動が脈打っているのがわかる。その鼓動はトクトクと早くなっていたよ。

「わたしなんて目が回りそうな位ドキドキしてるのですよ、ちょっと…ズルイですね」

悲しそうな嬉しそうな、何とも言えない表情をするクリーダ。

その時、クリーダの顔が不意に近づいて来て、いきなり目の前が真っ暗になったんだ。
あぁそうか、あたしが無意識に目を閉じたんだね。
そしたら、唇にやわらかな感触と暖かさが伝わってきたよ、耳を澄ますと凄い近くにクリーダの息遣いが聞こえた。