「それじゃ…」

はてな?何故かクリーダも混ざってきたよ。クリーダって少年スキーだったのか?

あたしとクリーダはベニトを挟んで向き合った。何だろねー、この図って。
だけど、クリーダの目はベニトじゃなく真っ直ぐあたしを見つめてたんだ。
美しい顔で見つめられたら見つめ返したくなるからね、あたしもクリーダをずっと見つめてた。

クリーダが微笑めば、わたしも微笑み返すと言う。何か不思議な感じがするなー。

─ハッ…!?

<それにわたしはあなたと、あなたの小細工魔法士というクラスがとても気に入りました>

最初に出合った時、確か「あなたと」ってクリーダは言った。ってまさかね…。

でも、毛布の内側からすすすっとクリーダの手が伸びて来て、あたしの髪を撫でたんだ。なんにも言わずにずっとね。
不思議な事にあたしも全然嫌って思わなかった。ごく自然に感じられたよ。

何なんだろうこの状況…って不思議に思っていたら。

「欲しいものは手に入れたくなるものです」

一言だけクリーダが言ったんだ。
その欲しいものって、あたしの事なのかな?

ツリーハウスの薄暗いランプの下、あたしはそんな不思議な体験をしたんだ。