「もぐもぐ、んぐ、、これってお前が作ったのか?」

『まさかー!あたしに作れる訳ないんにゃん!
 お店で買って来たんだんにゃん』

「そっかー、虫とか食べてる位だし料理とか作れないよな」

虫はともかく、作れないについては余り反論は出来ないな。
料理は一応するけど、本の通りやってるのに何故か同じにならないんだ。
トマトを入れて、水っぽさがなくなるまで煮込むって書いてあったとして、まず最初から汁気がない。全くない。
素材のチョイスのせいなのか、どこかで間違っているのかはわかんないけど、説明書き通りにやってるのに全然同じにならないんだ。
しょうがないから、わざわざ水を足して水っぽさがなくなるまで煮込むんだなー。
出来栄えはイマイチ、それでも味はまぁまぁなんだけど、出来たものが果たして説明通りの産物なのかはちょっとあやしい。

『そういえばボクの名前、まだ聞いてなかったんにゃん』

「ベニト」

『ふんふん、ベニトって言うんだんにゃん
 あたしはねー』

「知ってるよッ!娘ネコだろう?」

『あぅん』

「それでそっちが氷女」

「はい、氷女です」

ベニトにクリーダがニコっと微笑んだら、ベニトったらちょっとモジモジしてやがったよ。
クリーダはこんな年端も行かない子供すらドキッとさせちゃうんだな、きっとあたしが同じことやってもダメなんだろうけど。

「お前たちってさ、ゲジゲジのゲジローの手下なんだろ?」

『仲間って言えだんにゃん!』

「でもさー、氷女は氷使うから強いけど娘ネコって弱いよな?活躍した事なんてないし」

確かに…、娘ネコは喧嘩っ早いから真っ先にかかって行くんだけど、いつもすぐにやられて逃げてる気がする。
男ネズミと同じくゲジローの引き立て役って位置付けだろうね。

『そ、そんな事はないハズだんにゃん』

「鬼は大きいからすっごい強いんだぞ、ゲジローは来てないのか?
 オレはきっとまたすぐ負けちゃうと思うんだけど…
 あッ!!そうか!最初にお前達がやられて、後でゲジローが敵討ちするんだろ!!」

ゲジロー役が居ないんでね、それより勝手に盛り上がりそうなストーリーを創作するなよ。