あたし達はワンパク坊主の家でたんまりとご馳走になった。
ここの郷土料理なのかな?出された料理はとっても美味しかったよ。

『ふぅー、おいしかったんにゃん』

「とてもおいしかったです、ご馳走さまでした」

「はいはい、お粗末さま」

ワンパク坊主のお母さんが、ニコニコして言った。
最初はずいぶんとビックリしてたけどね、そこはこのワンパク坊主がちゃんと説明してくれたさ。さすが子供リーダー。

「へへーッ!なんたってうちの母ちゃんの料理は村一番だからなッ!」

ワンパク坊主は人差し指を鼻の下でゴシゴシして得意そうだった。因みにゴシゴシってやる仕草をする子供を今日初めて見たよ。

『よしッ!お返しとしては足らないけど、いいものをあげるんにゃん』

あたしは荷物袋からとっておきのものを出し、テーブルの上に並べた。

「お?なんだこれは?」

『あたしのとっておきのお菓子なのだんにゃん
 みんなで食べるのだんにゃん』

「これって食べれるのかー?」

事もあろうか、ワンパク坊主はあたしの出したお菓子を不信の目で見ている。
ゲジゲジの主人公達は食べるものが基本的に違うからなー。
トカゲとか虫の幼虫とか食べるからなー。

『まぁまぁ、すっごくおいしいから食べてみるのだんにゃん』

「虫とか入ってないだろうな」

『入ってないんにゃん!ほれほれっ!』

あたしはお菓子をワンパク坊主の口に無理やり入れてやった。

「うぐぅ…!?」

しかめっ面をする子、まだ信用してないな。

『どうだんにゃん?』

少ししてハッと言う表情をする子供、スイーツ大好きなあたしのとっておきが不味い訳がなかろう。
無我夢中で食べつくすワンパク坊主は、素直な田舎の子供らしさが満点だった。
具体的には両手にお菓子を持って、互い違いに食べる仕草なのだ。これも今日初めて見たよ。